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4わからなくなる。
僕は金曜日も考え続けていた、その結果、ある可能性を導き出した。それは、平行世界は実現し、同時に全ての世界は本当のものである、と。
僕はその考えを手帳にまとめて、学校においておいた。また来週考えよう。そう思った。しかし、そうはいかなくなる。
月曜日、僕が学校についたときには、手帳が跡形もなくなっていた。僕の考えたことの軌跡がなくなってしまった。そして、この日の放課後から、追いかけられている。
原因はわからない、でも逃げなきゃだめだと本能が叫んでいる。なんで追いかけられているのか、僕は頭の隅で考える。幸い、男たちの足は早くなく、いや、遅いといったほうがいいかもしれない。どんどんさが開くが、気がつくと先回りされている、これが続いている。
気がつくと僕は大きな建物の前に立っていた。黒い男たちはもういない。その時、僕の好奇心が掻き立てられる。
コノタテモノハナンナンダロウ。
僕は建物に向かって歩みだしていた。
僕は、重い扉を開ける。重い足と荒ぶる息を整えながら歩く。こうなるのは、何年ぶりか。あの小学4年制の体躯の時、みんなは走っているのに、僕一人だけ歩いていた。あの胸がキュンと閉まる感覚、あの感覚が今でも、胸に鮮明に色褪せることなく残っている。
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