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キャラ不明
わざわざ人混みの中、ついでの遊びの順番待ちをしたり、年相応に、本来の私らしく騒ぎたいわけでもなかった。
ううん、コドモではあるのだけれど。
まだまだ、ぜんっぜんコドモなのだけれど。
そしてそれを、中村さんだって重々承知の上で私と生活を共にしているのだと言うことも、もちろんわかっているのだけれど。
コドモっぽくキャイキャイやかましくはしゃぐ、そんな自分を見せたくないのだろうか?
けれど、そんなのは今更、でしかない。
稚拙で到底オトナになりきれてなどいない様子は、とっくに幾度となく見せて来てしまった。
そして、そんなコドモっぽい私に付き合って、喜ばせようと、笑わせようと、彼は時々柄にもないようなことをする。
楽しいし、嬉しいし、幸せだけれど、無理をしてやってくれているのかな、と考えると申し訳なくなってしまったりする。
そうだな、だったら多分、私はこう思っている。
レジャー施設と言う場所に、どう考えても似つかわしくない彼に無理をさせてまで、一人で思いっきり楽しむだなんてことは、私には無理だ、と。
でも、ちょっと面白そうではある。
もしも、もっと私が強引な性格をしていたら、自分が乗りたい乗り物に中村さんを引きずって行って、アレもやろう、コレもやろう、と連れまわしたかもしれない。
しかし、私と一緒ならば絶対に楽しいよ!と言えるような、自分に自信のある人間ではないので、想像だけにとどめておくことにする。
何より、自分自身も、実際のところはアトラクションに興味は薄かった。
ー 中村さんは、苦笑いでもしながら、怠くないと感じたものであれば、一つ二つくらいは、一緒に参加してくれそうではあるんだよな。
変な人だから、予想がつかない。
意外にも、どうせだったならば、と全力で遊んでくれることだって考えられなくもない。
かと言って、俺は煙草でも吸ってるから、好きなのやって来な、と、私を放逐しそうでもある。
ー どっちだったとしても、好きなんだけどね。
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