交錯する想い

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「それって安楽死?もちろん僕はソクラさんを指示しているが、日本でそんなのが許可されますか?大炎上したの、知ってますよ」  龍音はYouTubeの切り抜きで、『世紀末のストーリー・レミングの死の行進』とサムネイルされた映像を観た事があり、安楽死はタブーだと認識している。  曽倉哲人も指摘されて、すぐにYouTubeの対談を思い返す。(高齢化問題について、ツンドラの厳しい環境に生息するレミングに例え、『老人に集団自殺』を提示したと糾弾された。しかし実際には、レミングは食糧不足になると集団で大移動し、川で溺れたり嵐に遭って死に至り、自然のサイクルで個体数の調整がされている。と話したのが曲解されて炎上した。) 「言葉を切り取られて、刺激的に演出された。でも、それを見越して発言しているから同罪ですね」  曽倉哲人はエアコンのクーラーが苦手なのか、パーカを着てフードを被り、龍音にこう告げて席を立った。 「別に急ぐ事はない。両親と祖父母に相談し、ゆっくり考えて決めればいい。僕と晴明の考察では、次の選挙で政権交代があり、スリープダウンが求められる時代がくる。これは予想ではなく、予知として参考にしてください」
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