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脳波と霊波
美花は自転車で走って行く龍音の背中に「がんばれ」とエールを贈り、踵を返して青葉台方面へ歩き出し、「龍音は我が倶楽部の星だ」と呟き、青空を見上げて1分間3Dアニメの構想をイメージして微笑む。
[地球基地からロケットが発射され、宇宙飛行士の龍音が操縦して月へ向かうが、月面へ着陸寸前にクレーターから噴火があり、ウンチ型の巨大な隕石に衝突して爆死する。]
龍音の家は十日市場駅から徒歩20分の距離にあり、自転車を家の前に駐めると、玄関に靴を脱ぎ捨てて階段を駆け上がり、二階の部屋に入ってパソコンを起動してUSBメモリを差し込み、『スリーブ・ダウン』の修正データをセーブした。
壁側のスチール棚にはVRゴーグルと電子部品が山積みになり、デスクの上にはパソコンと周辺機器が並んでいる。
龍音は修正データをロードしてスリープダウンのアプリを起動し、コイル剥き出しの電磁石に接続されたコード先端のパットを両顳顬に貼り、スリープダウンアプリのオープニング映像を画面に映し出す。
【真っ暗な室内に一本の蝋燭の炎が揺れている。】VRゴーグルでは立体視されるが、液晶モニターに修正した映像を流して脳波の連動性をテストする。
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