大学進学

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「そうだな。父は龍音の教育や家の事も母に任せっきりで、不甲斐ない父だと自覚している。しかし家族を守る為なら、命を賭けて戦地にも向かう覚悟だ」 「貴方、父親失格かは人生の最後に問えばいいのよ。今は物価高と低賃金で厳しいけど、家族が一つになって力を合わせれば、絶対に乗り越えられるわ」 「ありがとう、お母さん。龍音、相談ってのは何だ?気にせずに、包み隠さず話してくれ」 「龍音。イケメンでそんな凄い人物が、何故あなたに会いに来たの?」  父と母は背筋を伸ばして椅子に座り直し、ビールグラスをテーブルの上に置き、龍音を真顔で見つめて説明を促した。 「いやもっと肩の力を抜いてくれない?逆に話し辛いんですけど」  龍音は家族コントかと疑問視したが、子供を中心としたゲームプランで不幸を乗り越える本がベストセラーになり、大人は子供の未来を真剣に考えないと、数十年後に人類は終わると危機感を煽られている。
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