60人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
週刊誌の記事
「君の愛称、ティファニーのペーパーナイフは定着した」
「ふん、貴方が記者に吹き込んだのでしょ?紙しか切れないって、嫌味でしかないわよ」
「お洒落な美人秘書と、ポジティブに捉えて欲しいね」
通路右側最前列の席に座る桜井文子が、自分の書いた記事を博美と哲人が話をしていると気付き、振り返って笑顔で手を振り、隣の梅野もカメラを向けて一枚撮影した。
【仰天組閣。御見送り庁大臣、曽倉哲人氏に決定!】(見出しタイトルに河本内閣が整列した写真、曽倉哲人のプロフィール写真が添付。)
御見送り庁大臣を引き受ける議員が見当たらず、河本総理は苦肉の策として民間から曽倉哲人氏(深層仮想株式会社CEO)を登用し、河本内閣の閣僚人事が全て決定した。
しかし、曽倉氏はソーシャルメディアで世紀末のカリスマと云われ、死神が老人を地獄へ送り出し、高齢化社会の問題を解決するのか?と、大多数の議員が反発し、国民はこの人事を危惧していると、早くも総理の任命責任を問うている。……
[沢木博美(元秘書官)、ティファニーのペーパーナイフの切れ味は?](ページ中段、スーツ姿の立ちポーズ写真が添付。)
最初のコメントを投稿しよう!