第1章 遭遇

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ほんの数分前。 セレはアーリンの気配を感じた。 「来るぞ…!」 ランディール王家の祖ファーダの墓所である発光渓谷アリスドリナ。その岩壁に穿(うが)たれた洞窟の中にセレは居た。 一緒に居るのは セレに従って来たナーガとイデア。近隣の住民…両生類人達。そしてアーリンの手下になっているが実はセレに心服しているリーニエだ。 アーリンの接近に、一同には緊張が走った。 更に 「ん?アーリンだけではないな。他にも魔法使いが近づいている。」 セレは複数の魔法使いの気配を感じ取った。 …アーリンの他に3人だ。1人はディルザという奴だ。1人は知らない波動だ。あとの1人は?… まぶたを閉じて神経を集中する。 「あっ…これは…!」 …父上?父上が来ている?… 例のペンダントでかなり弱められているもののオーリの波動をセレが間違える筈は無い。 セレは思わず洞窟の外へ出た。 しかし見えたのは 「ピアリ?!」 ピアリとソノだった。 聞けば、すぐ近くでオーリはアーリンと睨み合っていると言う。 「父上!」 飛び出そうとするセレをナーガが止めた。 「今は駄目です。セレ様が行ったらオーリ様に(すき)ができます。」 「ナーガの言う通りだ。ここは我々に任せてもらおう。」 両生類人の1人が言った。
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