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ほんの数分前。
セレはアーリンの気配を感じた。
「来るぞ…!」
ランディール王家の祖ファーダの墓所である発光渓谷アリスドリナ。その岩壁に穿たれた洞窟の中にセレは居た。
一緒に居るのは
セレに従って来たナーガとイデア。近隣の住民…両生類人達。そしてアーリンの手下になっているが実はセレに心服しているリーニエだ。
アーリンの接近に、一同には緊張が走った。
更に
「ん?アーリンだけではないな。他にも魔法使いが近づいている。」
セレは複数の魔法使いの気配を感じ取った。
…アーリンの他に3人だ。1人はディルザという奴だ。1人は知らない波動だ。あとの1人は?…
まぶたを閉じて神経を集中する。
「あっ…これは…!」
…父上?父上が来ている?…
例のペンダントでかなり弱められているもののオーリの波動をセレが間違える筈は無い。
セレは思わず洞窟の外へ出た。
しかし見えたのは
「ピアリ?!」
ピアリとソノだった。
聞けば、すぐ近くでオーリはアーリンと睨み合っていると言う。
「父上!」
飛び出そうとするセレをナーガが止めた。
「今は駄目です。セレ様が行ったらオーリ様に隙ができます。」
「ナーガの言う通りだ。ここは我々に任せてもらおう。」
両生類人の1人が言った。
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