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「私はあんたがどこの誰だか知らない。私が知っているのは…あんたがとにかく強力な魔法使いで…アーリン様が…ロストークという国を手に入れる為に大事な人間だという事だけだ。」
痛みは引いたものの火傷のダメージが大きいらしく、ランスの言葉は途切れがちだった。
「もういい。もうしゃべるな。体が持たないぞ。」
セレが言った。
「ああ…。あんたはいい人だな。ここから逃してやりたいが…私にはどうにもできん…。だが今しかない。アーリン様がいない今しか…逃げ出すチャンスは無い…。」
ランスの話しはますますぶつ切りになった。
「そうだな。」
相づちをうち、ウォールはランスを背負った。
「どうせこいつを放っておけないんだろう?」
セレを見た。
「もちろんだ。」
セレは頷いた。
「こいつは俺が運ぶから、お前は魔法に集中しろ。今から俺が呪文を教える。俺が言う通りにそっくりそのまま呪文を唱えろ。」
「分かった。」
「よく聞け。…=====…===…==……。さあ、やってみろ。」
ウォールは少し長い呪文を唱えた。ランスには全く聞き取れなかったが、セレにはハッキリと聞こえた。
だが、その呪文を聞いた途端に背筋に悪寒が走った。
…なんだろう?嫌な感じだ…
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