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ラルシャの兄、テムだった。
ラルシャとはセレが出会った両生類人の男の子だ。アーリンの策略により「金の雫玉」と言う物を手に付けられてしまった。
金の雫玉を付けられた人間は、アーリンの思い通りに操られてしまう。雫玉1個につき1回だ。
ラルシャには3個付けられているから、3回、アーリンの命令通りに動く事になる。それを解除させる為にセレはアーリンに会おうとしていた。
「ここに居る限りアーリンから魔法攻撃を受ける事は無いからな。」
テムはそう言うと懐から植物の実を三つほど取り出した。黄緑色をした、小さめの鶏の卵程の物だった。
「トリハゼの実ですね。」
イデアが言った。
ニーナと言う少女が危険を冒して岩山で採取しているところを見た。投げつけると勢い良く破裂する、手榴弾のような実だ。
「知ってるのか。そう。それと、これ。」
もう1種類の実、こちらはウズラの卵ぐらいの大きさで灰緑色。それをひとつかみ取り出した。
「あ、ポンポンだ。」
今度はセレが言った。
近くの村落で子供達と遊んだ時に投げつけられた。中にはネバネバの液体が入っている。そのネバネバはある方法でしか取れない厄介なものだ。
「まぁ見ててくれ。さあ、行くぞ。」
テムの一声で両生類人達が一斉に動き出した。
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