第1章 遭遇

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綺麗(きれい)…でも怖い。」 ピアリが呟くように言った。 「そうですね。気味の悪い場所ですね。」 ソノも馬の速度をわずかに緩めた。だが脚を止めることはない。 …早くセレのもとへ… ソノは、オーリの命令を遂行(すいこう)する為に。 ピアリは、ただ会って無事を確かめたい想いで…。 一歩、光の中に脚を踏み入れると空気感はガラリと変わった。 青白い輝きも先程とは違い決して冷たく不安なものではない。むしろ包み込まれるような安心感を感じた。 数歩、進んだところで声が聞こえた。 「ピアリ! そこにいるのはピアリか?!」 …この声… ピアリの心臓が跳ねた。 「セレ!」 2人の到着を感じ取って、セレが洞窟から出て来てこちらを見ていた。 ピアリは馬から滑るように降りると駆け寄った。 「セレ!何があったの?大丈夫なの?」 「ああ。捕まって連れてこられたんだけど、とにかく今は大丈夫だよ。それより、ピアリどうしてここに?」 「『どうして』ですって??」 一気にピアリに怒りの炎が燃え上がった。 「夕方には帰るって言ったくせに帰って来ないからでしょう!全然連絡も取れないし!あなたが心…」 『心配』と言いかけてピアリは口をつぐんだ。 セレの事が心配でたまらなかった、とは恥ずかしくて言えない。
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