第4章 セレ

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アーリンから言われた通りの場所で、風向きや天候なども言われた通りに選んだ。 「霧状にしたエッセンシャルオイルは、風に乗ってスザールの茶畑に向かって飛んで行ったんだ。僕は茶の木が元気になっていると信じていた。」 アーリンからソグのエッセンシャルオイルは植物の生育を良くすると聞いていた。 …周辺諸国の農作物まで心配するなんて、アーリン様は本当に心の広いお方だ… そう信じて、渡された地図の通りに、荒れ地を数ヶ月歩き、獣しか通らぬような道を抜けて、小高い丘陵地に着いた。 「東に黒い河、西に白い森、正面に山羊の角のような大岩…ここだ。」 東から西に向かって季節風が吹き抜ける時期、と言われていた。 その時期に合わせて到着し、ソグのエッセンシャルオイルを散布し始めた。 散布は1週間の予定だ。その間の衣類や携帯食なども用意しておいた。 昼から夕方にかけてちょうどいい風が吹く。その時間帯だけ散布する。 散布を続けて3日目に、オーリとソノが通りかかったのだった。 2人はソグの正体は『モルス』という毒草だと気付き、真相を確かめる為にクメルを連れてスザールに行った。 そこで見た茶畑は… 「緑の葉なんてどこにも無かった!ほとんど枯れかかった木ばかりだったよ!」
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