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五品目:ちぎりはんぺんとわかめと三つ葉のお吸い物/秋月朔夜
※注意※
こちらのお話は途中で若干のBL要素が入ります(該当ページ:p40)
苦手な方は飛ばしてください。
* * * * *
夕方のバイトを終え、倭斗に連絡の一つでもとスマホを取り出した瞬間、タイミングよくヤツからのメッセージを受け取る。
なんでも、デパートでおもしろい催事をやってるらしい。夕飯の調達をそこでするからどこかで合流しよう、そう書かれている。
デパートと言えば、やたらめったら高い店ってイメージしかねぇが……そんなところでなにがどうおもしろい催事をやってるってんだ。
(高級肉の詰め放題、か……? まさかな)
仮にそんなことをやっていたとしても、参加費がいくらかを考えたらとてもじゃないがお得とは言えない。なら、太鳳の店でグラム500も鶏むね肉の唐揚を買ったほうがはるかに安い。
(つっても、倭斗が来いっつってなんら、行かねぇワケにも)
帰宅ラッシュに差し掛かる時間帯にデパートに行くなんざ気は進まねぇが……倭斗をひとりにするわけにもいかねぇし。
指定されたデパートは目と鼻の先だ。
オレは人混みの合間をすり抜けるように、ほんの少しだけ早足でデパートを目指した。
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