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九品目:ピザトースト/長濱亮平
「はぁ──……」
「どうした? 溜息なんかついて」
「……つきたくもなるだろ。外はこんなにいい天気なのにさー……なにが悲しくて部屋に引きこもって勉強やんなきゃなんねぇワケよ? しかもアキとふたりっきりで」
目の前で涼しい顔で本を読んでる幼馴染の顔を睨みつけるように見ると、
「オレは来なくても良かったんだぞ? 夏休みが残り一週間になっても宿題が終わらない誰かさんが泣きそうになってるっておばさんに言われちゃったらさ、来ないわけにも」
なんて言う、その目元がニマと笑う。
ッカ──!! 気に入らん!!
「だいたいなぁ、ほぼ毎日オレとゲームして遊んでたお前がなんで宿題終わってるワケェ!?」
「お前と違って毎日同じ時間に起きてるからな。うちは午前中に宿題をやるって決まりなんだ」
「午前中から遊んでた日もあっただろ!?」
「その分寝る前とか、いつもより早く起きてやってたからなー」
「きったね──!!」
思わず広げたノートの上に両手をついて身を乗り出すと、本で顔の半分くらいを隠したアキがスッと身を引いて避ける。
わかってんよ、夏休みだからって夜更かし朝寝坊は当たり前で、宿題やる時間も決めてなかったオレが悪いよ……。気が向いた時だけやってりゃ終わらないなんて当然だ。アキに当たるのはお門違いってもんだし、むしろ母ちゃんに頼まれたからってこうやって時間作って宿題サボらないか見に来てくれんだもん……絶対見放したりしないところがアキらしい。
……同じ部屋にいるってだけで、別に手伝ってくれるワケじゃねーけど。
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