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「さてー、んじゃ食いますか」
「だな。しかし、リョウが料理してるの学校の調理実習以外ではじめてちゃんと見たけど、案外手際いいんだな。包丁使わなくてもいいなんて、ちょっと新鮮だった」
「食えりゃいいかんなー。そりゃ見た目はそこらのカフェとかパン屋よりは悪いけど、これマジでうまいから!」
感心してるアキをせっつくようにして、『いただきます』を済ませると、オレはピザトーストにかぶりつく。
『サクッ』──パンの耳がいい感じに焼けた歯ざわりが香ばしくて、思わず顔が緩む。
「お、うまい」
「だろだろ!?」
同じようにひと口かじったアキがちょっと驚いたような声でそう言うから、たまんなくなって「食って食って!」なんて言って、箸ならぬパンをすすめた。
母ちゃんの作った野菜スープも飲んだら「ほぅ」と息が漏れる。
「スープもうまいな」
「だな!」
それからオレたちはピザトーストとスープをたいらげ、食べ終わった食器類をまとめてトレイの上にやってから、互いに床の上に寝転がる。
「はー、食った食った」
「おいしかった、ありがとなリョウ。作ってくれて」
「んぁ? いやいいって! いつもアキに作ってもらってるしこんくらいさぁ……」
「次はピザトースト以外も食べてみたい」
「ゔっ……か、考えとく」
「ところで、この体勢って食後に寝落ちるパターンじゃないか?」
「そこはほれ、アキがちゃんと見張っててくれよ。起こしてくんないとマジで恨む」
「えー……」
結局、アキの言う通り、オレたちはふたり揃って寝落ち、起きたのは二時間もあとのことだった──。
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