9人が本棚に入れています
本棚に追加
いつの間にか社長がやって来て、うほんと咳払いをした。
「えー、第一回、お歳暮ドラフト会議を始める」
キリッとした表情で、各々が選択希望商品を手元の紙に書いた。それを見て慌てて自分もサ⭐︎ポロ生ビール黒ラベルと書く。
「では、一位指名商品の発表をする。順に見せろ」
ずいぶんと乱暴なドラフト会議だ。皆が、「勝訴!」とばかりに、紙をくるりと回転させ皆の方へ差し出した。
「黒ラベル! 日本酒! 黒ラベル! 野菜ジュース! キ♡ン一番搾り!」
社長の微妙に本家に寄せた声に、皆がおおうと声を上げた。
「やっぱりかぶっちゃった」
松井が顔をしかめたその横で、単独指名だった上原と柴田、木下がガッツポーズした。
「上原さん、日本酒飲むの? 意外と渋いのね」
「はい。私、ビールは苦手で。柴田さんもいつもこの野菜ジュース飲んでますもんね」
二人は他の商品には興味が無いようで、蕎麦と一緒に郵送する為に梱包し始めた。
「うおほん。ほら、三田」
社長が当たりくじを入れたティッシュボックスを差し出した。
「松井君、じゃーんけーん!」
じゃんけんの結果、松井、俺の順にくじを引く。
「よし、開けろ!」
最初のコメントを投稿しよう!