お歳暮ドラフト会議

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 いつの間にか社長がやって来て、うほんと咳払いをした。 「えー、第一回、お歳暮ドラフト会議を始める」  キリッとした表情で、各々が選択希望商品を手元の紙に書いた。それを見て慌てて自分もサ⭐︎ポロ生ビール黒ラベルと書く。 「では、一位指名商品の発表をする。順に見せろ」  ずいぶんと乱暴なドラフト会議だ。皆が、「勝訴!」とばかりに、紙をくるりと回転させ皆の方へ差し出した。 「黒ラベル! 日本酒! 黒ラベル! 野菜ジュース! キ♡ン一番搾り!」  社長の微妙に本家に寄せた声に、皆がおおうと声を上げた。 「やっぱりかぶっちゃった」  松井が顔をしかめたその横で、単独指名だった上原と柴田、木下がガッツポーズした。 「上原さん、日本酒飲むの? 意外と渋いのね」 「はい。私、ビールは苦手で。柴田さんもいつもこの野菜ジュース飲んでますもんね」   二人は他の商品には興味が無いようで、蕎麦と一緒に郵送する為に梱包し始めた。 「うおほん。ほら、三田」  社長が当たりくじを入れたティッシュボックスを差し出した。 「松井君、じゃーんけーん!」  じゃんけんの結果、松井、俺の順にくじを引く。 「よし、開けろ!」
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