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紙を開くと同時に、松井が崩れ落ちた。
「……はずれたあああ」
親の仇を見る目をしていた。
「松井君、半分あげるから」
「えっ、本当ですか! やったあ!」
松井の立ち直りの早さは見習いたいものだと思う。
「三田君、甘いんだから」
梱包し終わった柴田が松井のはしゃぎぶりを見て呆れた様に笑った。
「……ビールごときで恨まれたくないですし」
松井が根に持つタイプなのは社員旅行の時に身を持って知った。
「松井、ハズレ一位を選べ」
「やった!」
松井は残っていたハム&ソーセージとビールを嬉しそうに抱えた。結果的に一番得したのは松井かもしれない。
「あとはラーメンとゼリーか……ゼリーは冷蔵庫に入れておいて好きに食べましょうか。ラーメンは、5食入りなのでドラフトしますか?」
「よし」
社長がくじをティッシュボックスに押し込んだ。
皆、掃除をするのに飽きていたのか、思いのほか、お歳暮ドラフト会議は盛り上がった。
「昼休みは蕎麦にでもする? 少しでも消費した方がいいでしょ。私、茹でるよ」
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