お歳暮ドラフト会議

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 確保した分を飲まれるとでも思った松井が、がたりと立ち上がる。 「松井君、心配無用。実はね……」  冷蔵庫からノンアルコールビールとお茶を持って来ると、皆がわっと声を上げた。 「やるな、三田」 「飲みたい人はノンアルコールビールを」 「お前、俺の金使い切ったな」 「……どうぞ、社長」  ノンアルコールビールをコップに注いで渡すと、「うむ」と頷いた。ギリギリセーフ! 「皆のもの、ご苦労だった! 来年もよろしく頼む。乾杯!」  どこかの武将みたいに言うと、皆もそれぞれ乾杯した。 「なんだか掃除、面倒になって来るわね」  「柴田さんのところが一番物が多いんですからね。送るなり持って帰るなりして下さいね」 「……食べたらやるわよ」  密かにアイドルグループの追っかけをしている柴田のデスクは、仕事とは関係ない音楽雑誌やイベントグッズで溢れている。 「三田さんのデスクはいつも綺麗ですよね」  恨めしそうに上原が言い、皆が同意する様に頷いた。 「物が溢れてるのが苦手なんです」 「悪かったわね」  柴田が不貞腐れた。 「自分の場所はって事ですよ。そんなに睨まないでくださいよー」
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