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森の中にひっそりと佇んでいる寺院跡は ほぼ朽ち果てており、積み上げられた石壁の一部と腐朽した木枠部分を少し残すのみの姿を 静かに晒していた。
建物の周りはまるで時が止まったような雰囲気を漂わせていて、鳥のさえずりすら静寂の向こう側にあるようだった。
「ね、モルナ」
「なあに、ラフィカ」
「村はどうしてあるんだと思う?」
ラフィカの問いはいつも掴みどころがないが、この質問は殊更そう感じられた。
答えを持たないモルナが黙っていると、ラフィカは続けた。
「ここに神殿があったからよ。だから村はつくられ今でも廃れずにある…ここは廃墟になってしまったけれどもね」
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