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すると どこからともなくクスクスという笑い声が聞こえてきたと思ったら、それは次第に大きな笑い声になった。
声が石壁に反響し、まるであちこちにラフィカがいるみたいに感じられる。
「すごい! これが目で見る世界…なんて鮮烈なのかしら!!」
「ラフィカ、どこにいるの? お願い助けて」
ラフィカが弾けるように笑った。
「モルナったら瞼を開けてどうするの、ちゃんと閉じていないと」
「でも閉じてしまったら何も見えないじゃない」
「それは今までの話でしょう」
言いながらラフィカの声が移動してゆくのが、なんとはなしにわかった。懸命に聞き耳をたて、ラフィカの行方を耳で追う。
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