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ある日の昼下がり、休日の公園。
いつものように、モルナとラフィカは公園のベンチに寄り添うようにして腰掛け、二人きりの時間を揺蕩うように過ごしていた。
ラフィカがオカリナを吹く。その隣でモルナは自作の万華鏡を空に向かってかざし、中をのぞき見る。
万華鏡の中は光と陰の彩りを散りばめた世界。
万華鏡をくるくる回すと、さまざまに切り取られた世界の色と形が見えてくる。
だからモルナは万華鏡が好き。
そして自分の作った万華鏡をラフィカが愛おしそうに扱ってくれるのも大好きだった。
けれど本当のところ、彼女が自分の万華鏡のことをどう思っているのか、モルナにはわからなかった。
なぜならラフィカは…
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