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ふと思い立ったモルナは万華鏡から視線を外しラフィカに向けると、屈託なく問い掛けてみた。 「ね、ラフィカ! ラフィカは万華鏡好き?」 「大好きよ、だってモルナが見せてくれる世界だもの」 「ラフィカ、万華鏡の中が見えているの?」 目が見えないのに、という言葉をモルナが飲み込むと、ラフィカはそれはそれは美しい微笑を零した。 「目に映るものが全てではないわ。世界は五感で汲み取り、心で感じるものだから」 あやすように諭すようにラフィカがそう告げると、モルナはそれ以上の問いを失った。 そう。
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