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目が見えないというのは、モルナからみた世界のラフィカ。ラフィカからすると、視覚を使ってでしか物を見ることができないのがモルナ、ということらしい。 二人は同じところにいるはずなのに、ラフィカの手にかかると、互いに存在する世界がまるで全く違う物のようになってしまう。 それをつきつけられるたび、いつもモルナは寂しいようなもどかしいような、どう言葉にすればいいのか分からない感情に襲われる。 私はただ、ラフィカと一緒にいたいだけなのに… モルナは胸に浮かび上がる様々な想いに蓋をすると、わざとはしゃぐようにして言った。 「私、ラフィカのオカリナ大好き! 目を閉じて聴いていると、世界がキラキラ輝いてくるの! すごく不思議」 「別に不思議でも何でもないわ。だって世界ってそういうものでしょう」 「ラフィカの世界はそうなんだね」
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