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③
みっちゃんは、パパも最近怒るのが、なんだかママよりも怖くなった気がしていました。鬼気迫るっていうのか。ここは言うとおりにしよう。
みっちゃんは、パパの話は知っていました。でもあそこで飾り付けをやっている人に教えてもらったんだけど、確か頂上に星の飾り付けって、クリスマスイブの日の夕方に飾るって言っていた。その時には子どもたちをいっぱい呼んで、側にある公民館で、クリスマスパーティーを行うって言っていたはずです。
でも、みっちゃんはほっとくわけにはいきませんでした。
だって、まっちゃんが寂しがるから。樹を登ったところにある洞の中に、まっちゃんがじっとして動かない状態で、みっちゃんが待っているから。
あの日、まっちゃんは死んでしまった。
パパやママが言っていることがそうなんだったら、まっちゃんはあの時死んでしまったんだ。
他愛ない遊びだった。
「みっちゃん、この蔓で遊ぼう! ほら、ぶら下がってさあ! 」
「うん! 」
ぶらんっ!
「ほうら! 楽しい! 」
ぶらんっ!
「うんっ! 」
ぐんっ!
それは、あっという間でした。
まっちゃんが蔓にぶら下がっていた時────まっちゃんの手が滑った。
それが始まりでした。
「みっちゃん、助けて!」
みっちゃんはまっちゃんを助けようとして、思わずまっちゃんの手を掴んだつもりでした。実際手を掴んだ。と思ったら、
みっちゃんが、両手で掴んだのはまっちゃんの首だったのです────。
「まっちゃん、大丈夫?」
みっちゃんは、まっちゃんの首を掴んだまま、まっちゃんに訊きました。
でも、まっちゃんの返事はありませんでした。
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