温かな腕の中で 【番外編 完】

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温かな腕の中で 【番外編 完】

大好きな匂いに包まれて僕は目を覚ました。ああ、そうだ。昨日はガブリエルと終わらない夜を過ごしたんだ。僕は一気に心臓がドキドキして、僕の背中に感じる温かな存在に口元を知らずに緩めた。 身動きしたのが分かったのか、逞しい腕が僕を抱き寄せた。首筋に感じるしっとりした感触がガブリエルの唇を感じさせた。それは僕の肌をゆっくりなぞって、耳元で止まった。 「…おはよう、ジュニ。」 起き抜けの少し掠れたガブリエルの声が僕の耳元で囁かれて、僕はビクリと身体を震わせた。耳が弱いのは知っている筈なのに。 「ガブリエル、わざとしてるでしょ…?」 僕がやっぱり起き抜けのぼんやりした声で呟くと、ガブリエルの機嫌の良い声でクスクスと笑う声が耳をくすぐった。それからぬるりと舌が僕の耳の縁をなぞるから、僕は甘く呻いてしまった。 「…ん、んぁ。ガブリエル、まって…。朝からやめてって。」 僕が抗議の声を上げると、ガブリエルは僕の胸元を指でそっと撫でさすった。それは敏感になった僕の身体に熱を籠らせる事になって、僕は朝だと言うのにすっかり甘い気持ちになってしまった。 「ふふ、ジュニが可愛くてやめられない。でも疲れてる?」 ふいに身体を離してガブリエルはベッドに起き上がった。僕は行き場のない欲望を持て余して、恨むような気持ちでガブリエルを見上げた。 けれど僕の目に飛び込んできたのは、欲望の眼差しで僕を見下ろすガブリエルだった。ああ、また僕はガブリエルに仕掛けられたんだ。僕はガブリエルをじっと見つめて、ベッドの上のガブリエルの指先に自分の指を絡ませて言った。 「ガブリエルは意地悪だね。僕に欲しがらせて…。来て。」 するとご馳走を貰ったように顔を綻ばせて、僕にかがみ込むと、唇が触れそうで触れない距離で囁いた。 「私はいつでもジュニに欲しがって貰いたいんだ。ずっとジュニは私を愛し過ぎないようにって頑張ってたから。」 僕はガブリエルの宝石のような緑色の瞳を覗き込んで微笑んだ。 「僕はガブリエルをいつだって愛してたよ。でも今のガブリエルは僕の心臓をドキドキさせて壊しそうなんだ。だからお手柔らかにね…。ガブリエル、早くキスしてくれないと嫌いになるからね?」 ガブリエルはじわじわと顔を赤らめて、僕を睨みつけて呟いた。 「急に可愛くて、反則だ…。全くジュニは、ジュニだ。…私を翻弄させる。」 そう文句を言いながら、ガブリエルは口元に笑みを浮かべて僕に覆いかぶさって来た。僕はガブリエルと甘い口づけを交わしながら、こんな結末は予想できなかったと思った。 ずっとガブリエルの側に居たいとは思っていたけれど、こんな風に一緒にベッドで転がりながら、愛し合って側に居られるなんてちょっと考えていなかった。 それは甘くて、約束された素晴らしい日々の始まりを感じさせた。2日後、ガブリエルが僕よりずっと若くて、体力も欲望も無尽蔵にあるって気づくまでだったけど。 まぁ、でも僕にはケニーのために昔開発済みの強壮ポーションがあるから、問題ないよね?もっとも、ガブリエルの部屋にそれの最強版が木箱いっぱいに用意されてるのを見た時は、ちょっと顔が引き攣っちゃったけどね…。              【番外編 完】 ★リクエストの多かったシュタっこ、ガブリエルもすっかり大きく成長して逞しい王子の参謀になりました。彼にとっては分かりやすいジュニを手に入れるのは、そう難しい事ではなかったかもしれませんね? とはいえ鈍感なジュニに自分を欲しがって貰うために、ガブリエルも頑張りました♡ ガブリエルに可愛がられる年上!のジュニはきっといつまでも可愛くて、憎めないに違いありません♡ハッピーエンドが本当の無双というところでしょうか?笑 この作品を読者の皆様に楽しんで頂き、応援して頂き、本当にありがとうございました!お陰様で番外編含め最後まで楽しく書くことが出来ました。 なお、他にも沢山書いてますので、楽しんでいただけたら嬉しいです♡よろしくお願いします(〃ω〃)                
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