クロック・ラン

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2梨子が時をかけられるようになった理由  それは、ある晴れたクリスマスのことだった。その時の私は、確か8歳。この時、大人っぽいものに憧れた私は、おしゃれな腕時計をサンタさんにお願いした、そしてもらえたのがこのクロック・ランというわけだ、当然、これをつけた私はおしゃれだ。(え、自分で言わないって?)  私が、このクロック・ランが時を移動できると知ったのは、中学1年生のことだった。始業式の暇な時間(暇じゃない?)のときにクロック・ランが10分ずれているのに気づいた。ズレを直そうとを弄っていたら、なぜか10分前に自分がいた。  私は、はっきり言ってとてつもなく驚いた、そりゃあ、時間を駆け巡られるなんて、夢が現実に!。まず頭をよぎったのは、私が時空探偵になって歴史的事件を解き明かすところ。しかし、即座にもうひとりの私に却下される。「どうせお前推理力も忍耐力もないだろ。」  ぎくっ  たしかに、私は推理力のかけらもなく、忍耐力もない、しかし、夢を持ったっていいじゃないか。私はそっと涙を拭い、みんなはドン引きする。  次に頭をよぎったのは未来を覚えて、占い師になるというもの。しかし、また即座に却下される。「お前は記憶力ないんだから無理だろ。」・・・はい、そうです。  また涙を流し始めた私との距離をみんな広げる。  私は、寂しくなった。
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