散っても消えぬ記憶の果てに

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「……」 今、俺は猛烈にイラついている。 誰にかって? …生徒会役員共とmari…転入生だよ。 別に、人に恋するのは誰でも持つ権利だから良いと思う。 だが、与えられた責務を放棄するのとは違うんじゃないか? そんな事を思いつつ、今日も俺は大量の書類を捌いていた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「は?仕事?あなたは天才で完璧なんですから、あなた一人でできるでしょう?」 「え?仕事?」 「嫌だ」 「「だって会長、努力しないで、一人でなんでもできるじゃん!」」 「嫌…そ……れに…かいちょ…きらぃ。」 「嫌だよぉ〜、それにぃ〜、会長ってぇ〜何でもぉ〜、アドリブでぇ〜出来るでしょぉ〜?」 キュッと、胸が痛んだ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「……」 こんな事考えるより、書類の山を片付けるために手を動かした方がいいのに。 「信頼、されてなかったんだな。」 むしろ、信頼されてたと思っていた自分に恥ずかしさが込み上げてくる。 「……申し訳、なかったな。」 あれじゃあ面目が着かない。 俺は生徒会長なのに、あの人の息子なのに…。 「痛ッ!」 パッと顔を上げる。 今痛かったのは心臓? (さっきとは違う直接的な痛み…) 案外、死ぬ日も近付いてきているんだな 俺は泣かない。 なぜなら、俺は気高い生徒会長だからだ。 大丈夫、俺は今生きてるから。 (いつ死ぬかも分からないのに?) 大丈夫、俺は生徒会長。 (仲間からは認めて貰えなかったのに?) 大丈夫、ちゃんと責務を俺は全うして… 途端に吐き気に襲われる。 ポタポタ 「………血?」 サァァァっと、血が引いてくような感覚がする。 まだ口の端からポタポタと血が落ちている。 (後で、拭かないとなぁ) 「俺…死んじゃうんだなぁ」 今更な実感が湧いた。
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