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「ほらほら、可愛いのは解るけど、手洗いうがいくらいする!」
「はーい」
結局、この時は全員の区別がつかないまま、父の書斎を後にした。
着替えして、母が作ってくれた夕食の時間。
「お母さん、ミケの子猫達の名前どうしよう?」
「仮名で良いんじゃないの?2か月経ったら里子に出すんだし」
…そうだった。
ミケも入れて全員で5人。
そんなに大勢の世話は出来ない。
でも…。
「お母さん、1人だけでもウチで飼いたい」
「って言ったって。アキラが学校に行っている間にトイレの砂をこまめに替えてるのはどこの誰なのよ」
確かに、夜はともかく日中のミケの世話は母に殆ど任せっきりだった。
それに、今はミケが世話してくれているとはいえ大きくなってきたら、トイレをもうひとつ増やして砂も今まで以上にこまめに替えなきゃいけない。
母の負担が増えるのは必須だった。
「お願い、お母さん。お願いします。夜は私が世話をするから…」
「おぼんになると、お父さんも帰ってくるわ。きちんと説得しなきゃダメよ」
その問題もあった。
シュンとなった私を見て、母はひと言付け加える様に言った。
「お父さんを説得出来たら、お母さんもミケ達の世話、日中だけ続けるから…」
「ホント?!」
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