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この頃になって来ると、子猫達は皆、目が少しずつ開き始めた。
眼の端っこ…眼頭から開いていく子ばかりで、もう半分くらい開いた子も居れば、まだ三分の一くらい開いている子も居て、猫にも個人差がある。
区別のつかない2人の子に関しては、唯一の男の子だった、オスと最後まで仮名すら思い付かない女の子の方をムスメととりあえず名付けた。
「皆、可愛いなぁ…」
まだ足がしっかり立っていない子だらけだったので、ミケが水を飲もうと立ち上がったり、トイレで用を足す時は皆、「ミーミー」鳴く。
でも、直ぐに又、大人しくなって床を這うように動くが、不思議と遠くまで行く子は居なかった。
私はそっと子猫達を順番に撫でていった。
子猫達は思っていた通り暖かかったけど、夏とはいえ、暑苦しさは感じなかった。
私は7月中に一気に夏休みの宿題を終えたので、後は子猫達を見たり撫でたりして過ごしていた。
子猫達の眼が完全に開いた頃、父が福岡県から帰ってきた。
大学が休みの間は、ずっと居るのかと思っていたけど、休みの間も仕事があるみたいで、お盆明けには福岡県に行くと言う。
「貴方、お帰り〜」
「お父さん、お帰りなさい…」
「ただ今」
心なしか父の声に怒気がこもっている様な…。
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