1月3日

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手元にお金が無いことを気にして何度も口にするので、母が安心できるならと、先日一緒に銀行へ行って、10万円おろしてきたんです。 それが、何処かへいってしまって。 他にも幾つか見当たらない物があって、恐らく母が何処かへやってしまったと思うのですが、 「屋根裏に潜んでいる泥棒が取って行ったんだわ!」 と言います。 食べ残しのお弁当を捨てていいか確認した時も、 「それは私のじゃない。泥棒が食べて置いて行ったんだわ! 私はそんな食べ方はせんで」と怒ります。 兄が、「薬を飲み忘れちゃうからかな」と言いました。 いつもは父やヘルパーさんが飲ませてくれるのですが、父は居らずヘルパーさんも年末年始はお休みで、兄もついうっかり忘れてしまうそうです。 妄想はここしばらく落ち着いていたので、私も兄もショックでした。 薬を飲むよう促したら、素直に飲んでくれたのでホッとしましたが。 それから皆でお昼ごはんを食べに行き、帰りに病院へ寄って、マスクと髭剃りを看護師さんに届け、父の様子を聞きました。 どうやら、私たちが知らない間に、父の携帯に母が電話をかけまくっていたようで( ° ω ° ; )、看護師さんが一度、父の耳元に携帯を持って行ってくれたそうです。 そしたら、少し話すことができたとか。 もちろん、母は全く覚えていませんでしたが。 前日は父がベッドの横にうずくまっていたため、ベッドの柵を四方に設置することになったと言われました。 その同意書にサインをしてから、兄が切なげな声を出しました。 「お父さん、お母さんのことが心配になって、家に帰ろうとしたのかも知れんね」
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