263人が本棚に入れています
本棚に追加
那紬にも、付き合わないと言い続けて傷つけてきた過去を思い起こして、何とも居た堪れない気持ちになる。
気まずい思いでチラリと隣の那紬を伺い見ると、那紬は何故か楽しげにクスクスと笑っている。
「………まぁ、結局お互いがお互いを変えたって事ね。2人とも、他の誰かじゃダメだったって事でしょ?」
お、三島、珍しく(?)いい事言ってくれんじゃん。
「ふふっ、そういう事になるかなー、ね、」
そう言って俺の顔を覗き込み、顔を傾ける那紬がもう、マジで可愛過ぎて頷き返しながら自然と頬が緩む。
「あー!何か、結局見せつけられてないー!?私達!」
「ホントホントー!もう、さっさと帰って2人でイチャついたらぁー?」
「えっ、いいの?じゃ、俺らはそろそろ…」
那紬の手を取り腰を浮かせてみれば、
「うわ、ホントムカつくー!!」
「絶対帰らせないっっ!!」
と、酔っ払い達に絡まれ、また座らされる。
いやマジで、帰りたいんですけど…
と思いつつも、今まで恥ずかしいからと、会社では公私を分けて接してきていた那紬が、酒が入ってるとは言え同期達の前でこんな風に彼女として可愛い姿を見せてくれる事が、素直に嬉しくもあり…
結局なんだかんだで途中で抜け出すタイミングも逃してしまった。
最初のコメントを投稿しよう!