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案の定、翌日から暫くは那紬も俺も同じ営業部はもちろん、同期、後輩、先輩、挙句上司にまでも
「付き合ってるのか」「本当なのか」
と、噂の真否を問われ、その度に俺は
本当だし本気だから温かく見守って欲しい旨と、今まで那紬を狙ってた奴らには、だから手を出すなよと暗に釘をさして回った。
奴らの何とも言えない悔しそうな顔と言ったら…w
那紬が心配してた事なんて、俺の思ってた通り杞憂に終わって、寧ろ俺の方が
「片瀬さんにお前は勿体ない」
「何でよりによって片瀬が比嘉を?」
「比嘉、本気じゃないならやめろ」
云々…
まぁ、やんや言われたけどそんなのどうでも良い。
負け犬のひがみなんて痛くも痒くもない。
那紬には俺なんて勿体ない事も、俺が那紬に釣り合わない碌でもない男だって事も、とっくに百も承知なんだ。
それでも那紬が俺の側にいたいと思ってくれるのなら、俺は絶対に那紬を手放さない。
いや、例え那紬が離れたいと言ったとしても、それだけは聞き入れられない。
本気だからもちろんやめるつもりなんて毛頭ない。
那紬の方は、新人女子社員達からは
「片瀬さんほどの人が彼女なら納得」
「比嘉さんがぞっこんなのも分かる」
「あんなに愛されてて羨ましい」
と憧れの眼差しすら向けられたらしい。
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