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しばらくヤローどものどうでもいいくだらない話につきあいつつ、頃合いを見計らってトイレ、と席を立つ。
戻ったらそのまま那紬の隣に移動して…なんて考えながら戻ると、山吹が那紬の隣に座ってやがる。あのヤロー。
「おい、なにしてんだよ。」
那紬と山吹の間に無理やり割り入り、山吹を押しやる。
「ククッ、やっぱり来たか。」
「あ゛ぁ?」
「いやいや、今お前の愛しの那紬ちゃんに、聞いてたわけよ、いったいお前のどこが良くて付き合ってんのかってのをさ。」
「うぜーな、いいよ、んなの。つうか、那紬ちゃんとか呼ぶなっつってんだよ。」
「キャー!!」
周りにいる女性陣が声をあげ、三倉はその横でニヤニヤと俺に視線を投げかけてくる。
「比嘉くんもそんな事言うんだー!!」
「ヤキモチ!?可愛いー!」
「可愛い?キモイの間違いじゃねーの?」
山吹もそう言いながらニヤニヤと俺の顔を覗き込むから思い切りその顔を手で押しのけてやった。
「愛されてるねー、那紬ぅ」
「最初はちょっと心配だったけど…比嘉君本気っぽいし大丈夫かぁ」
「大丈夫って、何が。」
「えー?那紬、泣かされないかなぁ、とかさ、やっぱ心配になるじゃん?うちらもういい年だし、弄ばれて捨てられたらダメージ大きいし、時間だって無駄になるし。」
危うくそうなりかけたなんて口が裂けても言えねー。
横目で那紬をみれば、ふふっと穏やかに微笑んでる。
俺、間違えなくてマジで良かった…。
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