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ああ、だけど…
先にこれだけは伝えないと…
暴走寸前の本能を、まだ僅かに残った理性が引き留める。
何度も繰り返し、どんどん深くなる口付けに息が上がってきた那紬の、頬に掛かった髪を手で梳き、潤み始めた瞳を真っ直ぐに見つめる。
湿った唇が、この上なく色っぽくてすぐにそこに口付けたくなる衝動をぐっと抑えて、愛しい女の名前を呼ぶ。
「………那紬、」
「……ん?」
「……一緒に住もう。」
「………え?」
「…………つうか、結婚して。」
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