番外編〜episode.2〜

28/30
前へ
/205ページ
次へ
「…………えっ、けっこ…ん、」 おそらく頭が働いてないだろう那紬は、俺の言葉を反芻した後、瞬きを繰り返した。 「うん、結婚。那紬、俺の、奥さんになって。」 「……………ええっ?ちょっ、えっ、と…これは…」 「………プロポーズ。」 昨晩…俺に拷問みたいに残酷なお預けをくらわせながら、幸せそうに眠る那紬の寝顔を見てたら、言葉では表せないような、何とも言えない愛しさとか、幸福感が湧き上がってきて… 婚約指輪を渡したとは言え、何の法的拘束もない今の関係じゃなく、早く那紬を俺のものにしたい。この寝顔を毎日眺めて、俺の腕の中に閉じ込めて、目が覚めたら笑い合ってキスをして…そんな、幸せな日常を重ねていきたい。 もう、今すぐにでも。 そう、強く思ったんだ。
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

260人が本棚に入れています
本棚に追加