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「…………えっ、けっこ…ん、」
おそらく頭が働いてないだろう那紬は、俺の言葉を反芻した後、瞬きを繰り返した。
「うん、結婚。那紬、俺の、奥さんになって。」
「……………ええっ?ちょっ、えっ、と…これは…」
「………プロポーズ。」
昨晩…俺に拷問みたいに残酷なお預けをくらわせながら、幸せそうに眠る那紬の寝顔を見てたら、言葉では表せないような、何とも言えない愛しさとか、幸福感が湧き上がってきて…
婚約指輪を渡したとは言え、何の法的拘束もない今の関係じゃなく、早く那紬を俺のものにしたい。この寝顔を毎日眺めて、俺の腕の中に閉じ込めて、目が覚めたら笑い合ってキスをして…そんな、幸せな日常を重ねていきたい。
もう、今すぐにでも。
そう、強く思ったんだ。
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