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あきらの言葉に陽太郎はうなずく。仲良くされればされるほど、花音にとって直の行動は不安を煽り不気味だっただろう。
「直が仲良くしてくれる理由が分からなくて直の行動を監視していたとしても不思議はない」
「つまりは、直をつきまとっていたのは花音でフクロツルタケを鍋に混入させたのは花音の可能性が高いということになるな」
あきらが口元を口元を手で隠しながらつぶやく。
「いや」
しかし、あきらの結論を陽太郎はすぐに否定する。
「花音が犯人ではないよ」
「どうしてそんなことが言える。確かに花音が毒キノコを入れたという証拠は無いが一番動機があるのは花音ということだろう?」
「違うよ。花音が直に嫌がらせでフクロツルタケを食べさせる理由がない」
「理由ならあるだろう。直が過去を知っていながら仲良くしてくれる恐怖から、過去をみんなにバラされるのが怖くて毒キノコを食べさせたと考えるのが自然だろう」
陽太郎は気だるそうに紙を書き上げると人差し指を立てて左右に振る。
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