第六章 そして誰もいなくなる

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「直の仇討ちのつもりだったんでしょ。だから、私達を。あの遭難事故の日、直が死んだ原因を、殺した犯人を見つけようとしてこんなゲームを初めたんだ」 「……直が亡くなった原因は心臓発作だろう?」 「違うよ。あの日、みんなで食べたきのこ鍋には毒キノコが混入されていたんだ。入れたのは加奈」  花音の言葉に岳人は大きく目を見開く。 「どうして、そんなことを」 「あの子は瞬のことが好きだったから。そして、瞬は直のことが好きだった」 「たったそれだけのことで」 「それだけのこと。じゃなくて。それほどのこと。だったんだよ」  言葉を失って固まる岳人に花音はゆるく首を振る。
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