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「夏は犯人を指摘する時に何かしらの証拠を準備していただろう。密室の謎を解いたことを証明するのに一番簡単なものは何だと思う? C館にあったものを持ってくればいいんだ。要するに、お前が夏の部屋に行った時、そこには加奈の遺体がすでに部屋にあったんじゃないか? C館を見つけた証拠に夏はC館に隠されていた加奈の遺体を自分の部屋に運んできていたんだ」
岳人は瞬の話が理解できないというように怪訝な表情をする。夏の部屋に加奈の遺体があったとして、それが何の関係があるのかと言いたげだ。
「結論を言おう。お前は、夏を殺した後、部屋に安置されていた加奈の遺体と一緒に崖下に飛び降りたんだ。加奈の体をクッションのかわりにしてな。加奈の体はすでに死体としてゲーム内で確定されているものだ。証拠としてゲーム的に保護されていると言っても良い。
つまり、加奈の体はこの断崖絶壁から落ちてもシステム的に傷ひとつ付かないんだ。だから、お前は加奈の体を緩衝材として使った。そうすれば、お前自身が怪我をすることはないからな」
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