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「先輩、行方不明だって」
「マジ⁉︎ちょー事件じゃん!」
私はその話にビクッとする。あの話は現実にはない。だけど、モデルはいる。学校の王子様と呼ばれる先輩を勝手に勇人のモデルにした。こんなことになるなら、先輩をモデルにするんじゃなかった。登校中に観察したり、すこーし放課後に彼女と会っているところを追っかけたり、別れ話の現場まで駆けつけたこともある。そんなことしなければよかった。さすがに、家までストーキングはしなかったけど、あの日向のことだ。心ゆくまで追いかけるだろう。
『ねぇ!君に会いに来たんだ!気づいてよ!ねえったら!』
お話の中の耳鳴りの正体は…。
それ以降、あの日は私の中で特別な日となった…。
END
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