ねぇ、君に会いに来たって知ってた?

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『ねぇ!君に会いに来たんだ!気づいてよ!ねえったら!』 今日はやけに耳鳴りが酷すぎる。それとも寝ぼけでもしているの?自分の顔をはたいてみる。目バリバリに覚めてるんだけど…。ため息をつくと同時に大好きな彼を待つ。今日はどんなことがあるんだろう。大事な話がしたいとのことでわくわくする。 「お待たせ。日向。」 「勇人!待ってないよ!全然!」 はしゃぐ気持ちを抑えつつ、ドキドキする。どうしよう。顔がニヤニヤしちゃう。ってか、もうしてるかも。 「日向に大事な話があるんだ」 「うん。なぁに?」 「実はな…」 「うん」 なんだかちょっと感慨深い面持ちだ。そんなに言いにくいこと?私だったら舌噛みそうなほど早口で言っちゃいそう。 「別れてほしいんだ…」 その一瞬、時が止まった。何言ってんだか。私は「冗談でしょ?」という言葉を吐き出そうとした。こんなのおかしいって。今日はいつもよりオシャレしたんだよ?いつもより早く起きて、いつもより早く来たんだよ?なんで?こんなにいい彼女なんていないって。どうして? 「日向?」 その甘くとろけそうな音をずっと聞いていたいの。だから、お願い。離れないで…。 「勇人、嘘だよね…?」 目からポタポタ滴が垂れる。イヤだ。離れたくない。一生そばにいて。ねぇ、お願いだから。お願いだから…。 「嘘じゃない」 「なんで…?」 「日向は気づかないの?こんなに俺のこと束縛してさ。もうちょっと気遣ってくれてもいいんじゃない?逆にそれでよく気づかなかったよな。」 「えっ…?」 「どうせ『私のどこがダメなの⁉︎直すから!』とか言い出すんだろ?日向には無理だよ。何度も俺は言ったから。日向の自業自得だから。」 勇人は去っていった。私が悪いの?私がいけないの?私が…。 『ねぇ!君に会いに来たんだ!気づいてよ!ねえったら!』 うるさい!黙ってよ!私には勇人しかいないの! そして私は勇人を追い続けてる。大好きな勇人。笑顔の勇人。全部ぜーんぶ。私だけで満たしてあげるから。待っててね。
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