年明け

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 「年末年始何もせずに過ごしてしまった」  田尻博はベッドの中でうごめく。外は明るいがカーテンを締め切り、差し込む日を掛け布団で遮りながら、その内側で充電ケーブル差しっぱなしの携帯端末を操作していた。休みをいいことに徹夜でゲームをしていた次第であり、夕食はコンビニで適当に買い集めた品々で済ませ、時間と共にすいた小腹は残飯で満たした。田尻博はこれでもいっぱしの社会人で、休み前まではきっちり社会の歯車していたのである。 「ここまで完全な寝正月ははじめてかもな」
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