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そういや、小野不由美先生っつうか、魔性の子がちょっと話題になってたんだけど、私、小野不由美先生の作品で一番推してるの
『屍鬼』
これなんだわ。
これな。めちゃくちゃ怖いのよ。何て言うか、怖さがシフトチェンジしていく様がな。本当に怖いのよ。
最初は、村に得体の知れない何かがじわじわ侵入してくる怖さ。日常にじわじわ侵食していく得体の知れない何か。
で、それを軸に、村に住んでいる人達の闇みたいなのが暴かれていく。端的に言うと、異端を排除する怖さ。
村にそぐわない異質を排除する怖さ。秩序を保とうとするあまり、水面下で皆が何を考えているのか、どんな闇を抱えているのか。これが丁寧に暴かれていく。
で。それが最終的に屍鬼という化け物を排除する方向に行くんだけど、ぶっちゃけジェノサイドなんだわ。
一度死んでよみがえってるけど、人間と大差ない。感情や思想、情愛を持っているものに対して、容赦なく杭を打ち込んでいく。
死んでるから。人を喰う化け物に変質しているから。だから殺してもいい。
庇うものも同罪。
未読の方はぜひ。でも、めっちゃ怖い。
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