ヤモリさまと村長の娘。

卍20年前と現在卍

アタシは村長の娘として、その山村で生まれ育った。

村長の…父の家は山村一大きくて…
屋根裏には、妖力を持った大きなヤモリさまがいた。

その、ヤモリさまは生け贄を与える代わりに
山村を様々な災害から守ってくれていて…

だけど、生け贄は子供以外という決まりがあった。
子供には未来があるから、という理由があるみたい…

だけど、多子若年化が進む村を見てきた

村長の父がついに
その決まりを破って、あろうことか…

娘のアタシを、そのヤモリさまの生け贄に選んだ。

村長
「ヤモリさま！今回の生け贄に
我が家の娘はいかがでしょう！

若い娘の方が柔らかくて美味しいと思うのです！」

怖くないと言ったら、嘘になる…

ヤモリさま
「村長よ、決まりを
忘れたわけではなかろうな？」

父は震えていた…

村長
「そ、そそそ…それは…その…

忘れてはいませんが、年長者の
人数が少なくなっているので…

その、決まりを変えてほしいのですッ」

ヤモリさまは、父を睨んでる…

ヤモリさま
「われは、ゆうたはずだ子を生け贄には奪わぬと！

そなたを喰ろうた方がよさそうだな
村長は若い者に変わるべきなのだ！」

ガブッ…

アタシ
麓山　紗柰(はやますずな)
「っ…！？」

ヤモリさまは、父を生け贄として
頭から食べてしまった…

母
「もう、いやああ！こんなのたくさんよ！
紗柰(すずな)！ここを出ていくの！」

母に抱き上げられた
アタシは山村から連れ出されて…