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彼女に一矢報いたくて、頭をフル回転させる。
「この歳になって付き合ってください、いいですよと明言してから恋人になる関係なんて、圧倒的に珍しいんだから」
「だからと言ってそんな暗黙の了解で付き合っている人がいるとは考えられないね。あと論点をすり替えないで。あなたに恋人がいないことに変わりはないし、恋人の作り方の話はしていない」
彼女の鋭く、返しのついた言葉のナイフが刺さって抜けない。
恋人の作り方ではなく、恋人の必要性。まさしく論点をすり替えたのは僕だ。
特定の異性と仲良くしていることはない、彼女を除けば。
ただ彼女の場合は恋人よりもその前に友達であるかどうかも怪しい。長年彼女と話をする関係にはなっているものの、話をすればするほど彼女が遠ざかっていく感覚があるのだ。
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