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「恋人の必要性について話したいんだけど」
「その話の切り口は惹かれるんだけど、タイミングが」
平日の動物園は人が少なくて、獣臭い。
カラリと晴れた空には真っ白なソフトクリームがよく似合う。と、彼女は衝動的に買ったソフトクリームを舐めながら、唐突に僕にそう話しかけたのだ。「昼間の動物が見たい」と突然誘われたものだから、溜めていた洗濯物も放りっぱなしでかけっぱなしのコートを羽織って、家から飛び出した。
彼女はいつも気まぐれで、向こう見ずだった。そんな彼女に付き合ってしまう僕も同じくらい気まぐれで、向こう見ずなのだろう。
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