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第一章
夜、就寝時に俺は地元の友達とメールをしていた。友達との会話も終えて寝つこうとしているところに、またメールの着信音が。
「もうなんだよ」と言いつつ、しぶしぶスマホの着信を確認してみるとそこには見たこともないメアドから
『今夜は何を叶えたいですか?』
という文章があった。これに対して俺は迷惑メールだと思い、ふざけて『女子のパンツ』と返信した。
その翌朝、昨夜寝るのが遅かったため、起きたのは昼頃だった。いつものように18禁の雑誌を開こうとするとなんだかいつもより厚みがあった。開いてみみるとそこには女の子のものと思われるパンツが入っていた。俺はしばらく一切の動作をしないままの状態になった。俺の寝ぼけた頭もこればかりは見逃せない事態らしく、完全に目が覚めたようだ。
「なんだよこれ、気持ちわりぃ!」
さすがに理解が追い付かなかった。なぜ俺の家に、こんなものがあるのか。俺は大学に進学してからは上京してずっと一人暮らしだ。見ず知らずの場所で彼女どころか友達すらまともに出来たことがない俺が人を呼べるわけがない。なのになぜ、こんなものがあるんだ。
…ピロリン
俺が必死に考えているところに水を差すようにメールの着信音が鳴った。
「何だってんだよ。こんな時に、、」
メール本文を見てみると、そこにはこのような文章が記載されていた。
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≪ 今回は《ソロモンプロジェクト》を体験していただき誠にありがとうございます。
青木様にはこれから毎日深夜0時に、何か自分がしたいこと、欲しいものを願ってもらいます。そうすれば弊社がその願いを翌日の午前5時に責任を持って叶えさせていただきます。
※注意事項※
・一日に願うことができるのは一度のみです。
・間違った文章で送られてきた願いは無効となります。
・もし深夜0時までにメールが送ることができない場合でも、その10分後までのメールの送信は有効となります。
・一日でも上の注意事項を守れなかった場合、この契約を打ち切らせてもらいます。
なお、このサービスに関するお客様への損害については一切責任を持ちませんので予めご了承ください。
《ソロモンプロジェクト》実行委員会
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これをすべて読み終えた俺は、昨晩の奇妙なメールのことを思い出し、昨晩から現在にかけての出来事に合点がいった。
俺はすぐに昨晩送られてきたメールを確認しようとした。だが、そこにあったのは俺が悪ふざけで送ったあのメールだけだった。夢であって欲しかったが、このメールとパンツがこの受け入れがたい事実を突き付けてくる。警察に通報したところでまともに聞いてくれないだろう。母にも迷惑をかけたくない。
こうして、誰にも頼れないまま《ソロモンプロジェクト》を始めることになった俺は、この日から毎日、深夜0時が来るのを待つことになったのだ。
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