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「新しいシェルターを確保しよう」
テスラの発明品、ダウジングコンパスで行き先を決める。
仕組みも原理もさっぱり分かんねえが、外したことがない。
「は、反応が凄いんだなぁ」
テスラの目が少年のように輝いている。
もしかすると大いなる力が眠るグラブズかも知れねえ。
途中にシェルターが幾つかあったが、テスラは目もくれなかった。
シルビアは「もう疲れた」と抗議したが、無駄だった。
因みに歩いてる訳ではない。
俺とホバーボードに乗っている。彼女曰く「乗り疲れた」そうだ。
戦利品のお陰で、盗賊団の移動速度が格段に上がった。
今までは、ヤマカシがテスラを含め三人背負っていたからだ。
かつては国境というものがあったらしい。
白銀の世界だけでなく、豊かな緑の大地や裸で過ごせる巨大な水溜まりも。
どれだけ駆けても、この否定された世界の何処にも見当たらないが。
幾昼夜駆けただろうか、遂に俺たちはダウジングコンパスが示したシェルターに辿り着いた。
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