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このシェルターは生きている。
尖塔は針葉樹のように天へ向かい、暖炉の炎は生命の息吹を吐き出す。
「我が城に無断で入るとは何事か!」
「おっと先客かい。悪いな、ノックもなしに。育ちが悪くてよ」
「我が王よ、ここはお任せを」
現れたのは、眼光鋭い精悍な自称王様。あとは護衛ってところか。
「ここはキング・ロボの居城。素直に出て行くか、屍となり出て行くか、選べ」
護衛は両手に極端に湾曲した刀を構えている。
湾刀というにはあまりに異様で、猪の牙にも似ていた。
「待てハルパー。貴公ら如何にしてここに辿り着いた? 王の印を持っているのか?」
「シルシ? 何だそりゃ。美味いのか?」
「ここは私が話すわ。突然ごめんなさい、キング・ロボ。私はシルビアよ」
いいぞ、自然な流れだ。そのままハニートラップを仕掛けろ。
彼女の能力は、個が持つ煩悩に基づいた妄想世界に引きずり込むものだ。
男なら偽り色の世界に溺れ、浮上することはできない。
藁を掴むようにシルビアの言いなりになる。
ハルパーの殺気をいなしながら、シルビアはロボに自己紹介や経緯を説明した。
「分かった。滞在を許可する。見返りに情報をよこせ」
「大した情報はない。このシェルターは使いこなしているのか?」
「残念ながら、宝の持ち腐れだ。城がここまで変化したのも初めてだ」
「だったら、うちには発明家もいる。役に立つぜ」
「勝手にしろ」
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