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「鮮やかなものだ。1億トークンの首は伊達じゃない」
「再評価サンキュ。足の速さより手の早さが自慢でな。で、相棒やられたけど、あんたはどうするんだ?」
「無論、撃ち殺すさ、君を」
外す距離じゃない。
そう言いたげな顔だった。ジジィのくせに強者感が半端ねえ。
こいつに針は通じなさそうだ。全く隙がねえ。
無音の雪の中、互いの心臓の鼓動だけが聞こえるようだ。
「逃げても意味はないぞ。君のシェルターは今頃、暖炉に変わってる」
「何?」
「だから、みんな仲良くあの世で暮らせ」
銃口が俺の脳天をロックオンした瞬間、雪原に影が伸びる。
二人の間に飛び出したヤマカシだ。
俺などいつでも殺せると踏んだ爺は空中のヤマカシに発砲した。
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