6話「人の形をした宇宙」

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 帰る足は、電車に移る。  時間は夕方に差し掛かる。  電車は快速。人は少なくゆったり快適。  空いた席に阿衣と座り、ホッと一息落ち着いた。  窓から見える看板広告をぼーっと眺める。  電車が動いた。  目で追っていた看板広告の文字が読めなくなっていく。 (ん……)  疲れからか、読書をした後のような心地よい眠気がやって来る。   「夢吽。お互い強くならなきゃね。強くなったらその時は……」    阿衣の意気込む声が聞こえた。  が、夢吽は、耳にするのがやっとだった。  心は既に、夢の入り口。やっとの思いで阿衣に応える。 「うん、わたしがあいちゃんを、あいちゃんがわたしを〝やっつける〟だよね」  振動を心地よく感じ、夢吽はそのまま眠りについた――
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