【エッセイ】ディズニー映画から小説の基本を学ぶ。

美女と野獣【恋愛】

どの国でも、どの時代でも、不動の人気を誇るのは恋愛小説だろう。そして、ディズニー映画でラブロマンスと言われれば、美女と野獣を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。

主人公のベルは、父を助けるために呪いの城に囚われの身になる。そして、野獣の男と暮らすことになるが、ある日、命を助けられ、恋に落ちていく。運命という歯車が見事に噛み合う、ディズニー映画の中でも一際輝くラブストーリーだ。

ある本に、本当の恋愛とは「〜だから好き」ではなく「〜なのに好き」、と書かれていた。イケメンだから、金持ちだから、という理由で本当の恋に落ちることはない。ワガママなのになぜか惹かれてしまう。ギャンブルばかりでどうしようもない人間なのに放っておけない。あまりに身分の差があるのに諦めきれない。世にある恋愛は、〜なのにから始まることがほとんどだ。

ベルは、本当の恋に落ちた。それは、王子だからという理由ではない。短気なのに、乱暴なのに、野獣なのに、ベルは彼に惹かれていく。それはまさに、恋愛の本質だろう。欠点や逆境があってこそ、恋が燃え上がるのは周知の事実だ。